2009年 永平寺川 サケ&サクラマスの遡上と産卵状況

 2009年の大きな特徴は、シロザケの遡上が際立って多かったということ。永平寺川だけでなく本流の九頭竜川においても、産卵行動があちらこちらで見られました。前年は非常に少ない年でしたが、私の記録によると2005年の秋も多かったですから、周期が関係しているのは間違いないと思います。(ちなみに福井県のサケ稚魚の放流事業は、2000年春を最後に打ち切られています)。前年と違い、遡上期間に定期的に雨が降り、いい感じで増水したのも功を奏したのでしょう。河口域が遡上しにくい永平寺川にとって、増水は大きな鍵を握っています。また2009年は、全体的にサイズの小さいサケが目立ったのも特徴的でした。 
 サクラマスに関しては、本流から上がってきたと思われるヤマメも含めて、前年に比べ観察できた数は若干多い程度。サケが100とすると、ヤマメ(成熟)20、サクラマスは10、(すごい大雑把・・・)でしょうか。

 10月20日頃、最初に下流の法寺岡付近でサケを観察。10月26日から27日にかけて一雨降り、サケが群で上がってきた様子。28日は安田さん、中村さん、愛知県の齊藤明さんと笑子さんも観察に来てくれました。昼頃、法寺岡の橋の下でサクラマスが息絶えそうになっている・・・とのメールがNHKの本道さんから入り、皆で移動。その後、下流のカーブ付近にかけてサケが10尾ほど確認され、尾ビレで川床を叩く様子も間近に見ることができました。しかし下流域は流速も遅いだけに、例によってウグイの大群が・・・。観察の途中、春に行われた浚渫工事の影響で、サケが遡上できなさそうな箇所を見つけ、本道さんたちが川に入ってスコップを入れ改修してくれました。
 サクラマスに関しては、遡上の会の小林さんから、産卵場を造成した付近及び上流での「多彩な目撃情報」を聞いていたのですが、この日は未確認に終りました。

↓ 下流はウグイの巣窟 産卵しそうなサケについて来て いっきに卵に襲いかかる
09-10-27



 11月1日から2日にかけて、今度はかなりの雨が降ってグッと冷え込む。そんな中、再び小林さんから「多彩な目撃情報」を聞きます。3日には、安田さんはじめ皆さんが再び集合。そしてなんと、皆の目の前で、待っていたかのように造成した産卵場にサクラマスのペアが登場したのです。昨年に引き続き、幸運としかいいようがありません。今年はアシの生え具合で、昨年のように右岸側から観察することが難しく、その代わりに左岸側は、「本道さんの場所」と呼ばれる程の絶好の撮影&観察ポイントになっていました。本道さんが、造成した産卵場に水中カメラを入れてくれましたが、結局最後の決定的な産卵シーンを撮影するに到りませんでした。
 この後、永平寺川はずっと「サケ祭」が続きました。日に日に観察する人たちが増えていくのも今までにないことで、地域の人たちの見守る目のお陰で、密漁者もめっきり減ったようでした。

↓ 造成した産卵場の下流側(流れの速い箇所) サクラマスのペア ウグイはいない09-11-3


↓ 造成した産卵場の上流側(開けた箇所) 11月上旬には何度かヤマメのペアを見かけた
09-11-6


↓ サケのバシャバシャは何度見たことか・・・
09-11-12


11月11日から12日にかけて
一雨降って、まだまだ続く「サケ祭」。私たちと同じくサクラマスが本命の本道さんも、最後の勝負をかけていました。「本道さんの場所」で、早朝から陽が落ちるまで、永平寺川とにらめっこです。本道さんの話によると、3尾ほどサクラマスが通って行ったということでしたが、決定的な瞬間には結局巡り合えなかったようです。

サケとサクラマスの産卵行動における性質の違いを面白く観察することができました。
(ヤマメは下記の条件では、ちょうどサケとサクラマスの間になるようですね)
◎ サクラマスはサケより流れの速い場所を好む
◎ サクラマスはサケより陽の当らない物影を好む
◎ サクラマスはサケより神経質


永平寺川 産卵場造成 これまでのこと 

2009年2月8日 お昼頃、解禁して間もない九頭竜川で、釣りをしているはずの安田龍司さんから電話が入る。いつになく弾んだ声で・・・「サクラマスとれましたよ!」。サクラマスが釣れたからといって、こと安田さんに関しては、現場から電話をもらったことなど今だかつてなかったので、よほど大きかったのかしらと思い、サイズを聞いてみたりする。「小さいですよ。4cmちょっとかな」・・・「???」・・・「しかも3匹いっっぺんにとれました」。周囲では笑い声がしてえらく盛り上がっている。
 安田さんとメンバーの皆が、九頭竜川での釣りをそこそこに切り上げ、気になる永平寺川へ直行したらしい。下流域のアシのきわで、サクラマスの稚魚らしき姿を見かけ、安田さんがタモですくったら見事に3匹とれた、ということで、観察と撮影の後、稚魚たちは再び永平寺川にお帰りいただいた。レストレーションの産卵場の造成も、早々に成果が出たのだとすると、こんなに嬉しいことはない。
 九頭竜川でサクラマスを釣り上げた時とは、また少し違った幸福感が、永平寺川には満ちていたに違いない。

09-2-8-1


09-2-8-2
 


永平寺川 産卵場造成 これまでのこと 

 2008年11月2日 九頭竜川でサクラマス・アンリミテッドの幼魚放流を終えて、皆で永平寺川に移動した。産卵場が気になって仕方がない。永平寺川には毎年、サクラマスよりもはるかに多い数のシロザケが遡上してくる。しかし、その年はいつになくサケは少なかった。雨の少ない秋だったが、それでも10月20日過ぎにひと雨が降った。上り難い河口も突破してやって来ると思ったのだが、サケはほとんど見られなかった。サクラマスも期待はできないと、あきらめ半分で桜の木の下に立つ。
 すると待っていたかのように、造成した産卵場の下流、流れが急に速くなった場所のアシの陰に大きなサクラマスが現れたのだ。続けて鮮やかなピンク色の婚姻色が、皆の目に止まった。メスのすぐ近くに、サクラマスのオスが寄り添っていた。ヤマメのオスも数匹いて、チョロチョロとちょっかいを出しに来る。余程のタイミングが合わなければ、サクラマスと出会うことすらできないのに、こうして皆が揃って産卵行動を観察できるなんて、幸運としか言いようがない出来事だった。

  くわしい模様は、私のHP『ドラゴンリバーより愛を込めて』でご覧下さい。

http://www.amaya.ac.jp/kuzuryu/08-11-5.html

08-11-2-2

08-11-2-1

2008年11月5日 中村圭一さんがひとりで観察中、造成した産卵場で尺ヤマメのペアを観察した。

08-11-5-1

08-11-5-2

<< | 4/4PAGES |