永平寺川の浚渫工事など 関係者で話し合いました

 県外から釣り人がやって来て産卵場を造成したり、NHKが時折カメラを向けていたり、新聞の報道も手伝って、永平寺川には沢山の風が吹いた。サケの回帰が多かったこともあり、周辺に住む人達だけでなく、遠い所からも観察に来る人が急増した。流域の人達も、だんだん永平寺川の持つ価値に気がつき、目を向けるようになってきた。

 永平寺川の下流域では、たまった土砂をさらう治水のための浚渫(しゅんせつ)工事が、定期的に行われている。また道路の融雪装置の取水口が法寺岡(ほうじおか)橋の下流にあるため、12月上旬には毎年重機が入り、その付近の土砂をさらう。そのことを知っている法寺岡の住民の方達が、私の顔を見ると、「また今年も川底さらうんかの?サケいっぱい卵産んでるのに。可愛そうや・・・」と、口を揃えて話す。
 魚道の改修の件もあり、福井県土木事務所や永平寺町建設課の担当者と連絡を取り合うことが多くなったが、いつになく工期のことを気にされていた。「現場」に行くと、同じように住民の方達から「可愛そうやろ」と言われるらしい。一方、九頭竜川中部漁協は、「アユの友釣り」と「落ちアユ漁」の行われる6月から11月までの工事に関しては非常に渋いが、サケやサクラマスの産卵に関しては、あまり具体的に認識されている様子ではなかった。

 住民の方達のそういった感情は、大切にしなければいけないと思う。それに答えるためにも、関係者が正しい知識を共有していなければいけない。そこで、さっそく下のような資料を作ってみた。同時に、改修される魚道付近も含めて、「アシの保全」にも触れている。浚渫はもちろん大切であるが、「多自然型川づくり」の一環として考えることは、これからの重要なテーマではないだろうか。

 2009年11月25日、私の方から声を掛け、永平寺町の役場の会議室で関係者が集合。福井県土木事務所、永平寺町役場建設課、九頭竜川中部漁協、そして安田さんと私。作った資料を見ながら、サケとサクラマスの生活史についても説明。会議はとても和やかに進んだ。そして皆で話し合った結果、降雪時期や流量、漁期との兼ね合いも含め、下流域の浚渫工事は12月に行うしかないという結論に達する。
 そこで安田さんから「12月になれば産卵も落ち着くと思うので、一度川に入りサケの卵を救出したい」と提案がある。「それなら救出が終わるまで工事を待ちますよ」と、県からも町からも快い返答をいただいた。
 「協働」は、順調に進んでいる。


↓ こうしてみると、サケよりもサクラマスの方が、はるかに支流との関わりを持って生活しているということが、よくわかりますね!裏を返せば、なぜサクラマスがサケより少ないか・・・ということ

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