九頭竜川に放流するサクラマスの稚魚について

 九頭竜川のサクラマスの数が、多くの人たちの尽力と連携の甲斐あってずいぶんと回復してきました。私たちは、自然再生産をもっとも重要視し、放流はあくまでもそれを補うものと考えています。間違った放流は、増やす効果がないだけでなく、自然再生産される魚にまで遺伝子レベルで悪影響を及ぼし、かえって減らしてしまうということが分かってきました。間違った放流とは、「適正でない放流数」「適正でない系統の放流魚」などが上げられます。まず、九頭竜川に放流する魚は、九頭竜川の固有の遺伝子を引き継ぐ魚であること、これは鉄則です。他の水系のものを放流することや養魚場で継代飼育された稚魚では、悪影響を及ぼします。
 現在、九頭竜川水系に放流するための稚魚が2パターン(F1とF2)育成されています。F1は親が九頭竜川に遡上してきたサクラマス。F2はF1の子ども、つまり2代目として池で育てられたものです。養魚場には他に食用として継代飼育されたヤマメも飼われています。安田代表が養魚場に通い、実際に飼育に携わりながら、それぞれの特性の違いを観察しています。
 例えばサクラマスのF1やF2は生まれた時から警戒心が強いのに対して、継代飼育されたものは生まれた時からすでに人に慣れた性質をもっています。またF1は、F2よりもスモルト化率が高いことから、福井県と中部漁協と協議の上、その適正から、F1は九頭竜川の本流に、F2は九頭竜川の支流に放流することが決められています。
 昨年より九頭竜川水系ではほとんどの漁協が、アマゴの放流をやめてヤマメの放流に切り換えましたので、F2も非常に貴重な稚魚となってきます。

 
  2014年4月21日(月)今年も九頭竜川中部漁協が町内の幼稚園児を招いて、春のサクラマス稚魚放流を行いました。この放流は秋も行い、永平寺町内のすべての幼稚園児の年長さんが毎年参加しています。子どもたちが九頭竜川とサクラマスのことを知り、親しむための第一歩。福井県民にとってすっかりお馴染みの、大切な行事となりました。もちろん放流する魚はF1です。


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発眼卵の写真を見せて説明をしています。

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水槽で観察してもらうことも欠かせません。