90年の流れを越えて〜石徹白川にサクラマスが帰る〜

  それは大正の終わりのこと。九頭竜川上流の支流のひとつである石徹白川。電源開発のためにダムや堰堤ができ、サクラマスは遡上ができなくなりました。やがて渓流からヤマメも姿を消し始めます。そのことを案じた村人たちは、峠を越えて長良川からよく似た魚、アマゴを移入しました。現代のように交通も発達しておらず、生態に対する知識もなかった時代。国も推進し、そういったことは日本のあちこちで起こっていました。

 今、石徹白川は、日本の漁場管理の先進地として注目を集めています。これほど天然のイワナたちの魚影の濃い渓流は他にそうあるものではありません。石徹白川には地元の人たちのふるさと愛と、釣り人たちの情熱が、しっかりと手を結んで投影されているのです。

 「九頭竜川をヤマメの川に戻そう!!」今年になって、九頭竜川水系の各漁協の機運も高まり(1漁協をのぞいて)アマゴの放流が取り止められることになりました。そんな中、真っ先に切り換えを決意したのは石徹白川漁協だったのです。しかも組合長の石徹白隼人さんは、「ヤマメを放流するなら是非、九頭竜川のサクラマスの遺伝子を受け継ぐものにしたい」とおっしゃいました。この話が斉藤彰一さんへ、そして安田龍司さんへと伝わります。安田代表がとても感激し、すぐに九頭竜川中部漁協に話を持ちかけました。中部漁協はその場で放流に協力することを快諾してくれました。


2013年10月11日(金)
いよいよ90年の流れを越えて、九頭竜川のサクラマスが石徹白川へ帰る日がやってきました。
中村養魚場で飼育してもらっている九頭竜川産サクラマスの子どもたち。支流に放流するヤマメの種苗生産用です。その中から石徹白川へと運ぶのです。安田代表も手伝ってトラックに載せます。
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放流場所はアマゴの放流実績がなく生息が確認されていない支流です。
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こんな場所に放流されたヤマメたちは幸せですね。
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斉藤さんと大津さん。大津さんも長い間、斉藤さんの同志として活躍されてきました。
おふたりにとって、感慨深い日になったことでしょう。
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そして本道さんの「九頭竜川物語」はまだまだ終わらないのです〜。
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