九頭竜川分流でサクラマスの産卵場を造成しました

2011年10月9日(日) 九頭竜川の分流で、サクラマスの産卵場を造成しました。

 本来サクラマスは、支流で産卵するものと言われていますが、九頭竜川の支流を調査したところ、産卵に適した支流はほとんどないことが分かってきました。永平寺川においては、魚道の改修も進み良い方向へと向っていますが、それだけではサクラマスが増えることにはなりません。
 昨年、今年と回帰してきたサクラマスを観察すると、自然繁殖と思われるサクラマスが相当数 含まれていることから、本流の分流を支流のように利用して産卵するサクラマスが多くおり、また成育環境にも恵まれた場所があるのではないかと考えるようになりました。
 私たちが真っ先に思い浮かんだのは、「本流のサンクチュアリ」に他なりません。実際に、昨年の11月には、産卵床がいくつも見つかっていますし、今年の2月には安田さんとNHKの本道さんが別の日に、それぞれサクラマスの稚魚を観察しています。複雑な川の形状は、伏流水をもたらし稚魚に越夏場所を与え、豊富なエサを育み、天敵から身を守ってくれます。
 しかしこの場所に何度も通ううちに、一見良さそうに見える小砂利の下にも、土砂の堆積が多く見られることがわかってきました。産卵期前に手を加えてやることで、より良い産卵場へと改善できないか、より多くの卵が孵化することができないかと考え、今回「本流のサンクチュアリ」で産卵場造りに踏み出したのです。
 可能性を秘めた場所であるがゆえに、ちょとした流量の変化で様相が変わってしまうので、サクラマスの産卵期とタイミングを合わせるのが難しいのですが、試験的に取り組んでみたいと思います。

 
 東京、埼玉、群馬、静岡、愛知、岐阜、滋賀、福井より参加して下さった皆さん、本当にありがとうございました。
片道6時間という方もおられ、本当に頭が下がります。
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 九頭竜川では、落ち鮎漁が行われていましたので、漁協に相談の上、川が濁るなど極力影響が出ない方法で行うことにしました。また、アラレガコの生息地もサンクチュアリで見つかっていますので、土砂で埋まらないように気を遣います。


 サクラマスが好んで産卵する場所は、「淵尻」のような場所です。淵から瀬へと移行するような場所は、流れも急に速くなり、卵が生み落とされた砂礫の間を新鮮な水がよく通るからです。水深は、最低でも30cmはあってほしいものです。 今回サンクチュアリから、このような場所を一箇所選んで川床の改善をすることにしました。

 〃〆鏈邏
まず2m×3.5mほどの面積の川底を、30cmほど堀ります。
掘った砂礫は、下流を濁らせないために、いったん川岸へと運びます。
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30cmほど掘っても、このように川底には土砂がたまっています。通常、人工産卵場を造る場合、川底より大きな石を入れ、上部にいくほど小さくしていきますが、産み落とされた卵が川底の砂とできるだけ接触しないように、一番下にまず3cmほどの石を敷くことにしました。
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 石の選り分け作業
午前中かかって、石の大きさごとに選り分け作業をしました。
石と一緒に掘り出した土砂は、川から水をバケツで汲んできて、河原で洗い流します。
レストレーションはチームワークが抜群なので、みんなで手際よく進めていきます。
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 石の戻し作業 
午後からは、大きさごとに石の戻し作業です。
重労働が続くので、体力勝負になってきました。

石は川底より次のような順番で戻していきました。
(1)  3cmほどの大きさの石  ・・・ 川底の砂を覆うように敷く
(2) 10cm〜15cmの大きさの石 ・・・ 一段敷く
(3)  5cm〜10cmの大きさの石 ・・・ 10cm〜15cmの厚さを敷く
(4)  3cm〜5cmの大きさの石 ・・・10cmほどの厚さを敷く

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ぁ[速の微調整
産卵場を造ったことで川の水が以前より川底に浸透しやすくなり、その分、表層を
流れる流量が少なくなるため流速が遅くなります。
そこで産卵場の両側の流れに大きな石を置き、産卵場の流速を調整しました。
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出来上がりました。瀬に向って、いい感じで流れていくのが良くわかりますね。
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産卵場を造った辺りの水温は16℃。そのすぐ下流には伏流水が湧いていて18℃。
夏場と温・冷が逆転していました。
サンクチュアリには、魚たちが身を隠す場所があるのも魅力ですね。
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いつも産卵場を造るたびに驚くことは、すぐに魚たちが遊びに来てくれるということ。
それほど石と石の間に水の行き渡る川底を、多くの魚たちが望んでいるということ。
この日も、造ったばかりの産卵場の写真を安田さんが水中撮影すると・・・・・。
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ヨシノボリが、さっそく遊びに来てくれていました。
参加して下さった皆さん、本当におつかれさまでした!!