ふくい里川研究会

福井県には「里山里海湖研究所」というのがあります。
「里海」に「湖」をつけて、「さとうみ」と読むそうです。
こちらのHPの紹介ページには、福井県の環境への取り組み、
福井県の環境への思いが書かれています。
http://satoyama.pref.fukui.lg.jp/about/

字数の問題もあるのでしょうが、正直「川」という文字が入っていないのは、
残念なことだと思いました。なぜなら、環境保全を考える時に、例えば
九頭竜川なら九頭竜川の流域を、ひとつのまとまりとする観点は、
非常に重要なことだと思っているからです。

そんな中、先々月「ふくい里川研究会」が発足されました。
福井県立大学の田原大輔准教授のかねてからの熱い思いが実り、
形になったことを私もうれしく思います。
田原先生が会長をつとめるこの研究会には、国や県の行政からは、
土木部門、水産部門、環境部門の方々が参加され、また大学や高専の
研究者、環境コンサルタントの方々、そしてサクラマスレストレーションの
安田代表もメンバーに加わっています。

(画像をクリックすると大きなサイズを見ることができます)

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2015年7月9日(木)
ふくい里川研究会の活動第一弾として、日本における魚道研究の第一人者である
日本大学の安田陽一教授を講師に招き講演会が行われました。その後、
永平寺川の魚道や九頭竜川の鳴鹿大堰の見学を行い、安田教授から改善点などの
アドバイスを受け、60名の参加者の皆さんは有意義な一日を過ごされたようです。

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田原先生のコメント
「魚道は研究が進んでいない分野の一つ。魚道ありきではなく、まず堰などが
本当に必要かどうか、撤去でどんな影響があるかを考えていきたい」
いつもながらに媚びない鋭い田原先生のコメント。拍手です!!


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ふくい里川研究会は、まずは問題点や情報の共有を行い、
参加者が一致できるものを見つけて、具体的な改善につなげて
いくということです。大いに期待したいですね。

今年も九頭竜川 鳴鹿大堰・意見交換会に出席しました。


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2015年2月2日(月)
九頭竜川の鳴鹿大堰から上流を撮った写真です。
厳冬の中にあって珍しく風がなく、九頭竜川は凍てつく山々を背景に、
静寂な時間を悠然と流れていました。

かつて毎日のようにこの橋の上に立ち、直下を覗き込み、首をかしげ、
サクラマスのことを案じていたあの頃が、まるで夢のように感じます。

今年も国土交通省さんから声をかけていただき、鳴鹿大堰の運用等に
関する意見交換会に出席してきました。一年間の多彩な調査に基づいた
資料を説明していただき、私たちも意見を述べさせていただきました。
サクラマスやアユだけではなく、他の種類の魚たちにも配慮が及ぶように
なっていて喜ばしい限りです。昔から九頭竜川に生息してきた多様な
生き物が充分に命を繋いでいくために、反映されれば素晴らしいですね。
それは私たち流域の人間にとっても、豊かで幸せな未来のあり方では
ないでしょうか。

鳴鹿大堰にとどまらず、各支流、そして農業用水に至るまで、こういった
「他の生き物への心づかい」が伝播していくことを願って止みません。
 

上流をめざして

2014年1月29日(水)
今年も鳴鹿大堰の魚道の運用や流量調整等についての意見交換会に、
安田代表と出席してきました。
関係者の皆さんのご尽力の甲斐あって、ここ数年でサクラマスの遡上の状況が
ずいぶんと変わってきています。

帰りに鳴鹿大堰の橋の上へ。ちょっと久しぶりです。
この十年間、私は何度この鳴鹿大堰の上に立ち、下を覗き込み、そして下流へ向けて
シャッターを切ったことでしょう。
本当にいろんなことがあり、ここまで来るのにとてもとても長い道のりでした。

この日レンズを向けたのは上流。美しい風景を切りとることができました。
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魚の気持ちにならなければ、永平寺川に魚は帰って来ない。

 2010年の秋、本当に沢山のサクラマスやサケが産卵のために、永平寺川に帰ってきました。特にサクラマスに関しては、想像を絶する数と言っても過言ではないと思います。魚道はまだ下流から2つしか完成していませんでしたが、私達やNHK本道カメラマンの目の前で、何度も元気よく魚道を遡上する姿を見せてくれました。

 その様子は、こちらのブログの「魚の観察」のカテゴリーをご覧下さい。

 
 安田龍司さんがよく口にする言葉、「魚の気持ちになる」。私達の活動の信条でもあります。私達の良き「活動の友」として数年にわたり寄り添ってくれた本道さんも、魚にカメラを向ける時はいつも「魚の気持ち」だったと思います。

 永平寺川は、生活の川。様々な思いを持った地元の人達がおられますので、私達は2010年をもって、永平寺川には関与しないことを決めました。(下流における浚渫工事前の卵の救出のみ、永平寺町役場から依頼され無償で行っています)

 魚道もすべて完成され、志比南小学校まで遡上が可能になったようですが、大切なことは、魚道以外にあるということを、是非関係者の方達は理解していただきたいと思います。サクラマスの帰る永平寺川に再生していくには、まずは正しくサクラマスのことを学ぼうとする姿勢が大切ですね。


川床改善 熊野神社〜1号魚道〜2号魚道

 産卵のためにサクラマスが遡上する季節が、目の前に迫ってきています。魚道が3基できたものの、川床の土砂のせいで、産卵した後に卵が死んでしまうと分かっていたのでは、とてもサクラマスに胸を張って、「さぁ、永平寺川に帰っておいで!」 とは言えません。
 完璧にとは無理ですが、今できることを、関係者が力を合わせて精一杯してあげたい・・・そんな願いを込めて、急遽どういった改善が必要かについて、安田龍司さんの説明会を開くことにしました。
今回、時間も予算もないことですから、区間は熊野神社〜1号魚道〜2号魚道に絞って、提案をさせていただくことにしました。

2010年8月31日(火)
 福井県 福井土木事務所さん、永平寺町役場 建設課さん、青武コンサルタントさん(魚道の設計担当)、永平寺川にサケ・サクラマスの遡上を実現する会・・・・・各2名。
  また永平寺町出身の福井県議会議員の鈴木宏紀さんも、心配して立ち会って下さいました。
  NHKの本道純一カメラマンも、各所の許可を得て同行取材です。
みなさん、お暑い中、本当にありがとうございました。

熊野神社前に集合していただきました。
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何故この状況が、魚達をはじめ生き物にとって良くないのか・・・・・
具体的に、どこをどうすれば改善されていくのか・・・・・
安田さんの説明にも力が入ります。
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 説明会終了後、県の方から、土砂や石を振るいにかける作業までは不可能だが、ユンボと高圧洗浄機を入れるので、川床をほぐし土砂を流したり、澪筋をつけたり、岩を削ることは対応できると、大変ありがたいお返事をいただきました。
 その代わり、漁協さんと交渉を行うこと、3日間の工事の最中は現場監督として立ち会うことを、お願いされました。あくまでも、工事はサクラマス・レストレーションのサポートとして行うということです。
 永平寺川が合流する本流の九頭竜川では、アユ釣りから落アユ漁に差し掛かるシーズン中。濁りが入るかも知れないむねを、すぐに漁協の組合長さんに電話で連絡しました。即答で快く許可を出していただき、また現場監督は、安田さんと中村さんが手分けして行うことになりました。


2010年9月13日(月)
2号魚道近くの橋の上から、クレーン車でユンボと高圧洗浄機を下ろします。
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さっそく、川床を、ほぐして土砂を下流に流します。
想像以上に土砂が堆積していたようで、モクモクと茶色い濁り水が上がりました。
この後、すぐに高圧洗浄機で仕上げをしていきます。
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澪筋の改善も行っていただきました。
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9月14日(火)
1号魚道の脇を通って、下流へとユンボは向います。
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この日は、1号魚道下の改善を行っていただきました。
サクラマス・レストレーションが毎年、産卵場を造成しており、今年も行う予定地で
細かいところは自分達でフォローできますが、根本的で大まかな改善作業を
ユンボで行ってもらいました。


9月15日(水)
魚道の直下から産卵場造成予定地までを、高圧洗浄機を用いて微調整していきます。
安田さんと中村さんも、作業に加わりました。
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こんな風に、川が明るくなりました!!やっていただいて本当に良かった!!
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 さて、この後が、いよいよ本番!!より土砂が堆積したであろう下流の方で、魚達の通り道を掘ったり、産卵場の造成作業へと進みます。




魚道(1号・2号・3号)改修後の川床調査と考察

 永平寺川は、今年の6月までに1号に続き、2号3号の魚道が完成しています。しかし、魚道の改修に伴う土砂の流出により、著しい川床の変化が見られるようになりました。下流域では、平水位において遡上そのものが困難になると思われる区間があり、また中流域ではサクラマスが遡上したとしても、産卵に適さないと思われる箇所も増えました。

 「増水」によって、多少なりともその土砂が洗われるのではと期待していました。実際に7月3日から4日にかけて下記の様な水位変化で永平寺川は増水しましたが、その後の観察で、決して状況が良くなっていないことが判明しました。
 そこで、私達サクラマス・レストレーションは、独自の方法で調査を行い、産卵期である10月までにどのような改善が必要かを考えることにしました。とにかく時間があまりありませんので、行政や地域の人達とも連携して、できる限りの手は施さなければいけません。今年のサクラマスの遡上数は例年よりも相当数見込まれますから、尚さらのことです。

「諏訪間」観測所の増水時水位変化  (夏場の平水位 0.2m)
2010年7月3日 14:00−24:00 1時間ごとの変化
0.29    0.36     0.44     0.56     0.84     0.99     0.97     0.95     1.00     1.10     1.09   (m)  
2010年7月4日 01:00−24:00 1時間ごとの変化
1.10    1.11     1.05     0.99     0.95     0.91     0.88     0.84     0.81     0.79     0.75     0.73     0.69   0.67     0.65     0.63     0.61     0.59     0.57     0.56     0.54     0.52     0.51     0.50   (m)

(写真はクリックすると大きいサイズでご覧になれます)

↓ 調査の様子 2010年8月

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1号魚道〜熊野神社  
左岸側の護岸のつなぎ目ごとに上流から順に番号をつけました。
*1-7から熊野神社までは、川幅が狭く流速が速い上に、元々底石が大きい場所であったため、掘ることが困難なので調査は行っていません。

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川床の土質調査
*川床の状態が最も良いと思われる流芯付近で行いました。

● 1-1での調査  (諏訪間の水位20cm)

a.掘り始める前の水深
15cm
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b.最初のひと掘り
1-1B_1719.jpg

c.最後のひと掘り
1-1C_1720.jpg

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
43cm

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●1-1.2での調査 (諏訪間の水位29cm)

a.掘り始める前の水深
31cm

b.最初のひと掘り

1-1.2-B_1839

c.最後のひと掘り
1-1.2-C_1855

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
57cm



●1-2での調査
左岸が護岸の補強をしてあり、右岸側の川床は大きな岩になっているため調査不可能



●1-3での調査 (諏訪間の水位20cm)

a.掘り始める前の水深
27cm

b.最初のひと掘り
1-3B_1714

c.最後のひと掘り
1-3C_1715

↑ 一見して砂が少なく見えますが、流れの早い場所なので、掘る時に流出してしまいます。 ↓

1-3E_1713

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
47cm

●1-3.5での調査 (諏訪間の水位29cm)

a.掘り始める前の水深
37cm

b.最初のひと掘り

1-3.5-B_1834

c.最後のひと掘り
1-3.5c

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
59cm


●1-4での調査
 
(諏訪間の水位20cm)

a.掘り始める前の水深
20cm

b.最初のひと掘り

1-4B_1709

c.最後のひと掘り
1-4C_1710

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
37cm


●1-4.5での調査 (諏訪間の水位29cm)

a.掘り始める前の水深
52cm

b.最初のひと掘り

1-4.5-B_1828

c.最後のひ
と掘り
1-4.5-C_1831

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
70cm


●1-5での調査 (諏訪間の水位20cm)

a.掘り始める前の水深
27cm

b.最初のひと掘り

1-5B_1702

c.最後のひ
と掘り
1-5C_1704

↑ スコップの上にも砂が多いですが、実際に掘っている最中にも、多く濁りがでました。 ↓
1-5E_1703

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
50cm



●1-5.5での調査
 
(諏訪間の水位29cm)

a.掘り始める前の水深
42cm

b.最初のひと掘り

1-5.5-B_1822

c.最後のひと掘り
1-5.5-C_1824

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
63cm


●1-6での調査 (諏訪間の水位20cm)

a.掘り始める前の水深
30cm

b.最初のひと掘り

1-6B_1694

c.最後のひ
と掘り
1-6C_1696

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
63cm


●1-7〜熊野神社橋の様子 (諏訪間の水位17cm)

川床を掘る調査はしていないが、護岸の上から観察すると、昨年と比べ石の間を砂が埋め尽くしている様子が分かる。
熊野神社前






水生昆虫の調査
 土質調査と並行して4ヶ所で水生昆虫の生息状況も調査してみました。およそ80cm四方の範囲の石をひっくり返して、網の中に流れ込んだ水生昆虫を種類ごとにカウントします。

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1-3.5-E_1835

● 1-1での調査
カゲロウ類・・・5 トビケラ類・・・4 その他・・・3    

● 1-3.5での調査
カゲロウ類・・・10 トビケラ類・・・8 ヘビトンボ・・・1 ヤゴ・・・6 その他・・・4

● 1-4.5での調査
カゲロウ類・・・6  トビケラ類・・・6 その他・・・2 

● 1-5.5での調査
カゲロウ類・・・10 その他・・・6

*1-3.5については、土質調査をしたところよりも、さらに流れの速い岩盤付近で水生昆虫の調査をしたため、川床には砂が少なく石が多かったためか、水生昆虫の数、種類が他の場所よりも多かった。
*カゲロウの種類として最も多かったのが、砂底に適応した水生昆虫である「モンカゲロウ」で、カゲロウ類全体の約50%を占めており、偏った状況である。
*全体的に健全な河川の水生昆虫の生息数と比較すると、きわめて少ない印象を受けた。




2号魚道〜1号魚道  
左岸側の護岸のつなぎ目ごとに上流から順に番号をつけました。
*2-8から1号魚道までは、川幅が狭く深いために、調査は行っていません。

map2

川床の土質調査
*川床の状態が最も良いと思われる流芯付近で行いました。

●2-1での調査 (諏訪間の水位19cm)

a.掘り始める前の水深
32cm
2-1A_1762


b.最初のひと掘り
2-1B_1763

c.最後のひと掘り
2-1C_1764

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
48cm
2-1D_1765

●2-2での調査 (諏訪間の水位19cm)

a.掘り始める前の水深
23cm

b.最初のひと掘り

2-2B_1754

c.最後のひと掘り
2-2C_1760

↑ 一見して砂が少なく見えますが、流れの早い場所なので、掘る時に流出してしまいます。 ↓

2-2E_1759

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
38cm


●2-3での調査 (諏訪間の水位19cm)

a.掘り始める前の水深
30cm

b.最初のひと掘り

2-3B_1750

c.最後のひと掘り
2-3C_1751

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
50cm


●2-4での調査 (諏訪間の水位19cm)

a.掘り始める前の水深
27cm

b.最初のひと掘り

2-4B_1746

c.最後のひと掘り
2-4C_1747

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
43cm


●2-5での調査
 
(諏訪間の水位19cm)

a.掘り始める前の水深
37cm

b.最初のひと掘り

2-5B_1741

c.最後のひ
と掘り
2-5C_1742

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
51cm


●2-6での調査 (諏訪間の水位19cm)

a.掘り始める前の水深
36cm

b.最初のひと掘り

2-6B_1737

c.最後のひと掘り
2-6C_1738

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
51cm


●2-7での調査 (諏訪間の水位19cm)

a.掘り始める前の水深
35cm

b.最初のひと掘り

2-7B_1726

c.最後のひと掘り
2-7C_1734

d.掘り終わった(掘ることができなくなった状態)水深
67cm

●問題点と改善ポイント

サクラマスの産卵に適さない環境


‖論僂靴薪攤修僚去をしなければ、サクラマスが産卵できたとしても、卵に酸素が供給されないため生存率は極めて低くなる。

工事に使用したと思われる山石(角の尖った切り石)の残りが多く(特に1号魚道から下流)、除去しなければサクラマスの産卵の際、魚体に傷を与えダメージが大きくなり産卵の障害となる。

E攤修梁論僂砲茲蝓▲汽ラマスなどの大型魚が定位できる水深と流速を備えた場所が減少したため、遡上して来たサクラマスが休む場所が不足する。



サクラマスの稚魚の成育に適さない環境

づ攤修梁論僂砲茲蠖綫減虫の種類と数が著しく減少し、サクラマスの稚魚が成長する際のエサ不足が懸念される。


その他の生物の生息に適さない環境

ド發石が土砂で埋まり、底生魚にとって生息しにくい環境となったため、工事前に比べ底生魚(ゴリ、ヨシノボリなど)の著しい減少がみられる。


Ε▲罎留造箸覆訌類が付く石が土砂に埋まったことで、工事前に比べアユの生息域が、2号魚道より上流に偏るようになった。



遡上しやすい永平寺川にするための考察

法寺岡橋下流・・・土砂の堆積
永平寺川の下流域にあたり以前より土砂が堆積しやすい区間であったが、今年はより一層大量の土砂が堆積したため、平水位時においても水深10cm未満となっている。この状態で10月の遡上期を迎えても、この区間でサクラマスの遡上が妨げられる恐れがある。

↓ 諏訪間の水位17cm(平水位)の時の法寺岡橋下流

法寺岡橋下流

法寺岡橋下流2


1号魚道下流の淵・・・土砂の堆積
土砂の流入によって、淵の上流部分が埋まり、淵の規模が小さくなって、水通しも悪くなっている。そのため遡上して来たサクラマスが、1号魚道を越える前に身体を休める場所としての役割を果たさなくなっている。
1号魚道下流淵

1号魚道 直下・・・土砂の堆積と魚の迷入
増水後、魚道の流れ出し直下に土砂が堆積しやすく、魚が魚道へと向かう進路をふさぐようになり、魚道のサイドに迷入してしまう。(赤の矢印)
左下の白泡が魚道の流れ出し部分。
写真
コピー 〜 1号魚道直下-2_0981

7月中旬、試しに堆積した土砂を掘り、澪筋をつけてやると、下流で待機していた100尾ほどのアユの群が、すぐに魚道へと向かって行った。(青の矢印)
写真

1号魚道直下-4_0985

諏訪間の水位で25cm以上になると、魚道のサイド(右岸側)の流量も増え、迷入した(写真\屬量隶)魚が行き場を失う。それを防止するために、魚道の両サイドにH鋼や角材などを設置し、流量調整をするとよい。
写真
1号魚道-2_1785

1号魚道 直上・・・土砂の堆積
土砂の流入によって、落差工上流にあった淵が埋まり、浅くなってしまった。そのため魚道を上ったサクラマスが、身体を休める場所としての役割を果たさなくなっている。
1号魚道上流_1784


2号魚道
2号魚道の最上段部に設置された角材を、サクラマスの遡上期には一時的に撤去し遡上しやすくする必要がある。
2号魚道-2 1797

3号魚道〜2号魚道
この間は、距離が長く淵や瀬が交互に続いており、2号魚道より下流と比較して、川床の状態は概ね良好と思われるが、落差工や床固め工などの人工構造物が多く見られ、水位によってはサクラマスの遡上を妨げる可能性もあるので、現在調査中です。


永平寺川 魚道1号 完成式が行われました

 2010年4月11日(日) 永平寺川の魚道1号の完成式が、『永平寺川にサケ・サクラマスの遡上を実現する会』の主催で行われました。(この上流の堰の魚道もあと2つ、続けて改修が決まっており、もうすぐ着工になるので、この魚道は「1号」と呼ぶことにします)。
 新聞やテレビの取材においても、遡上の会は、「永平寺の境内(最上流)までのサクラマスの遡上を目標にしている」と公言しており、頼もしい限りです!!

 1号は九頭竜川の合流地点より約600m。長さ約10m、幅3.3m、4段階段式、傾斜10分の1、景観に配慮し、杉の木を貼り付けています。

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a.m.10:00 住民の皆さん、100名ほどが集まって来られました。
↓ 永平寺町長の松本文雄さん、遡上の会会長で町会議員でもある伊藤博夫さんに引き続き、
レストレーション代表の安田龍司さんも挨拶をしました。
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↓ 永平寺川の神様にお神酒の献上です。
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↓ おめでたい時は、やっぱり 「もちつき」です。熊野神社の前で皆さんに
ふるまわれました!!
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一応完成はしましたが、レストレーションとしては、まだまだ未完成だと思っています。
下記に上げることは、何度も会議等で安田さんが話している事項です。

◎ 落差工の直上流の岩の掘削により流れを変え、魚道に水量がまとまるようにしなければ、
流量が減った時に魚道に充分な水が流れなくなる。

◎ 魚道の下流(下の写真で木工沈床が設置してあるその先)に新たな淵を設けるために、
岩を掘削しなければ、夏場の高水温期に魚が休む場所がなくなる。

◎ ヨシノボリなどの底生魚類やカニ等の遡上のために、縄などの設置の必要がある。

魚道の構造や川底の状態を忘れないために、完成前の写真を上げておきます。


 3月30日(火) 
10-3-30魚道2

↓ 4月6日(火)
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福井県土木事務所さんと「永平寺川の淵をどう残すか」現場で打ち合わせ

 永平寺川・・・こちらも、本流の九頭竜川と同様に、魚たちにとって大切な「淵」をどう残すか、という問題が持ち上がってきました。前回、魚道の設計図を見せていただく会議の時に、安田龍司さんから、「今回新しくなる魚道の直下流に、大変貴重な淵があるので、必ず残して欲しい」というお願いをしていました。
 魚道の工事が進む中、福井県土木事務所の担当の森さんが、「淵は想像以上に底が掘れていて、護岸の基礎が見えてきていることがわかりました」と、電話で知らせて来てくれました。治水上、基礎部分から1m以上は土砂で埋めるかブロックを置くなどして、改修しなければならないそうです。
 昨年11月に、漁協の組合員さんが資料館依頼の特別採捕で、サケの親をつかまえにこの淵に入ったところを私は偶然見ていましたが、首までドップリつかって立ち泳ぎされていましたから、上からみた感じよりも相当深いのは間違いないですね。

 ちょうどカーブしており、右岸側に岩があるため、流路も狭く左岸側の底が掘れて深い淵になっているのです。安田さんは、「夏場に流量が少なく魚道を上れない場合、魚たちが休むのに唯一残された場所」と話されていました。昨年の観察では、産卵期を迎える10月よりも、もっと早い時期に永平寺川に遡上してきたと思われるサクラマスが見つかっています。

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  2010年2月20日、森さんと現場で、どうしたら一番良いか、打ち合わせをしました。いろいろと意見やアイディアを出し合った結果、今の魚道を作る際に、取り外す予定の古い木工沈床を再利用してその淵に充て、手前の岩を自然な感じで削ってその場所を代わりに深くする、というやり方で全員意見が一致しました。
 底に沈んでいる40cmほどの石を見つけ、「あの石はそのまま深場に沈めておいて下さいね」と、安田さんからひと言。とことん魚の気持ちがわかる安田さんでした。

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永平寺川 魚道の工事が始まっています

 2月2日、内水面総合センターを出てから、永平寺川に直行。1月28日より始まった落差工の魚道の工事を見に行きました。最近の土木工事の看板は昔と違って親切で、読むのが結構好きだったりします。今回の工事は、何て書いてあるか、ちょっと楽しみでした。

↓ シンプルでいいですね。イラストのおじさんを魚にして欲しかったな〜。
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↓ 産卵場を造った場所の少し上流右岸。
川底が岩盤になっている辺りに、下に降りるスロープが土盛りしてできていました。
大きな土のうも準備されています。
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↓ 落差工は流れが左岸側に寄せられ、土盛りをしている最中でした。
ここにも、土のうが・・・。
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 その後、『永平寺川にサケ・サクラマスの遡上を実現する会』の小林さんに会い、放流の件で少し打ち合わせをしました。「どっかコーヒーでも飲みに行く?」とおっしゃっていただきましたが、「この後、九頭竜川を廻らないといけなくて・・・。九頭竜川の方が、大変なことになっているの」と、そそくさと永平寺川を後にしました。

 そして、九頭竜川の五松橋。ダンプカーの行き交う堤防。広がる泥の海を目の当たりにした時、急に雲の切れ間から、西陽が差して来ました。その時ふと、「やっと戻ってきたね・・・」、九頭竜川にそう言われた気がしました。




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